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2025.11.20
日本国債の金利が急上昇。住宅ローン金利はどうなる?
長期金利に大きな動きがありました。
新発10年国債の利回りが1.800%に上昇し、これは2008年6月以来17年ぶりの高水準です。
この金利上昇は、住宅ローンを検討している方や返済中の方にとって無視できないニュースです。
では、この金利上昇は家計にどのような影響があるのでしょうか?
■ なぜ10年国債の金利が上がっているのか?
今回の長期金利上昇には、次のような背景があります。
① 米国の利下げ観測が後退
アメリカでは、2025年12月の利下げ期待が弱まり、米10年債利回りが4.1%台に上昇。
→ これに連動して日本の長期金利にも上昇圧力がかかっています。
② 高市政権の経済政策への懸念
補正予算が大型化する可能性が指摘され、
「国債の増発 → 金利上昇」への懸念が強まりました。
③ 円安とインフレ懸念
円安が進み、輸入物価の上昇→インフレ懸念が再燃。
インフレ抑制のためには、金利上昇圧力が高まりやすい状況になっています。
■ 長期金利が上がると、住宅ローンはどうなる?
ポイントは次の通りです。
🏠 ① 全期間固定(フラット35)は「長期金利」に連動
フラット35の金利は、主に10年国債利回りをもとに決まります。
→ 10年国債が1.8%に上がったということは
→ 来月以降のフラット35金利が上昇する可能性が高い ということ。
これまでも長期金利の上昇に合わせて、フラット35は徐々に引き上げられてきました。
今後も、金利が2%台後半〜3%台に近づく可能性も視野に入れる必要があります。
💡 ② 変動金利はすぐには上がらないが「油断は禁物」
変動金利は「短期金利(政策金利)」がベースです。
今回のニュースは長期金利の話なので、
変動金利がいきなり上がるわけではありません。
しかし…
・インフレが続く
・政府の財政出動が拡大
・円安が継続
などの状況が重なると、日銀が政策金利(短期金利)を上げざるを得なくなる可能性は十分にあります。
📝 ③ 固定・変動の“差”はますます縮まる予感
2025年現在、
変動金利:0.3〜0.6%
フラット35:1.8〜2.2%
という差があります。
長期金利が上昇すると、まず固定金利(フラット35)が上がります。
変動金利は短期金利が基準のため、すぐには上がらず、短期的には
「固定=高い、変動=安い」という差が広がるように見えます。
しかし、長期金利の上昇は、マーケットが
「今後、政策金利も上がる可能性がある」
と織り込み始めたサインでもあります。
そのため、固定金利が先に上がる局面では、後から変動金利も追随して上がり続け、結果的に“差が縮まる(ときに逆転する)” という動きになりやすいのです。
変動金利の魅力(低金利)をどこまで信頼するかが、今後ますます難しい判断になりそうです。
■ 住宅ローンを検討している方へ:今考えるべきこと
✔ 今は「固定金利の上昇局面」に差し掛かっている
これからローンを組むなら、
固定金利は来月も上がる可能性が高い
という前提で考えるのが自然です。
✔ 変動金利は“いつまでこの低金利が続くのか”が最大の争点
短期金利が動かない限り変動は据え置きですが、
政策金利の引き上げは十分あり得ます。
✔ 金利の上昇局面では「固定でリスクを消す」選択肢が再評価される
金利の上昇リスクに弱い方は
・フラット35
・固定期間選択型(金利10年固定など)
も選択肢に入れておくと安心です。
■ まとめ|金利のニュースは家計に直結します
今回のニュースで言えることは、
📌 長期金利(10年国債)が1.8%台 → フラット35は上昇の可能性大
📌 変動金利はすぐには動かないが、将来の上昇リスクは強まっている
📌 金利上昇局面では「固定金利の安心感」が高まる
住宅ローンは、家計に最も大きな影響を与える長期契約です。
新しい政権の政策・日銀の姿勢・円安など、さまざまな要因が金利に影響します。



