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2025.10.21

寒暖差、家づくりの時にできる対策は?

春や秋など、朝晩の気温差が大きい時期になると、家の中でも「昼は暑いのに夜は冷える」「部屋ごとの温度差が大きい」と感じることがあります。
こうした寒暖差のストレスは、体への負担だけでなく、住宅の快適性や光熱費にも関係しています。

今回は、家づくりの段階でできる「寒暖差対策」を、住宅性能の観点から紹介します。


1. 断熱性能をしっかり確保する

家の快適さを大きく左右するのが断熱性能です。
外気温の影響をどれだけ防げるかは、壁・屋根・床などの断熱材と窓の性能によって大きく変わります。

とくに「窓」は、住宅で最も熱が出入りしやすい部分。
断熱性能を高めるためには次のような工夫が有効です。

・樹脂サッシや樹脂とアルミの複合サッシを選ぶ

・Low-E複層ガラスを採用する

・必要に応じて内窓(二重サッシ)を設置する

これらを組み合わせることで、冬は暖かく、夏は涼しい家に近づけることができます。
なお、窓の断熱性能は「U値(熱貫流率)」という指標で比較でき、数値が小さいほど性能が高いとされています。


2. 気密性(C値)を意識する

断熱材を厚くしても、すき間が多いと効果が半減します。
住宅の“すき間の少なさ”を表すのがC値という指標です。

C値は、家全体のすき間面積を床面積で割った数値で、

一般的に 1.0以下で良好

0.5以下で高性能
とされています。

C値が小さいほど、外気の侵入を防ぎ、室内温度を安定させやすくなります。
ただし、高気密住宅では換気計画も重要になります。気密+計画換気がセットで快適な空気環境をつくります。


3. 換気システムで温度差をやわらげる

冬に換気をすると「せっかく暖めた空気が逃げる」と感じることがありますが、
最近は熱交換換気システムという仕組みを導入することで、このロスを抑えることができます。

熱交換換気は、排気の熱を利用して外から入る空気をあらかじめ温めたり冷やしたりする仕組みです。
これにより、冷暖房の効率を保ちながら新鮮な空気を取り入れられます。

ただし、製品ごとに熱回収率(効率)やメンテナンスの手間が異なるため、導入前に性能や交換部品のコストを確認しておきましょう。


4. 結露・カビ対策で健康と家を守る

寒暖差の季節に起きやすいのが「結露」です。
結露には、窓の表面につく表面結露と、壁の中で発生する内部結露の2種類があります。

表面結露 → 換気・断熱・内窓などで対策しやすい

内部結露 → 構造材の劣化につながるため、設計段階で防湿層や断熱計画が重要

結露を放置するとカビやダニの原因となり、住宅の耐久性にも悪影響を与えます。
「冬の窓の結露が気になる」という方は、断熱性の高い窓や換気システムを検討しましょう。


5. ヒートショックを防ぐための温度計画

寒暖差が大きい季節に注意したいのがヒートショックです。
「暖かいリビングから寒い脱衣所・浴室へ移動する」といった温度差で、血圧変動が起きることがあります。

対策としては、

・脱衣室や浴室にも断熱を施す

・浴室暖房を利用する

・全館空調や床暖房で家全体の温度差を小さくする

といった方法が効果的です。
間取りや設備の段階で対策しておくと、将来的な安心にもつながります。


寒暖差の激しい季節を快適に過ごすためには、
「断熱」「気密」「換気」の3つをバランスよく整えることが大切です。

・断熱性能を高めて外気の影響を減らす

・気密性を確保して暖気・冷気を逃がさない

・熱交換換気で新鮮な空気と快適温度を両立する

こうした性能を家づくりの初期段階でしっかり検討しておくことで、
一年を通して快適で、光熱費も抑えやすい住まいを実現できます。

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