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風水、家相ってどう考えればいいの?昔と今の家づくりの違い

2025.07.16

風水、家相ってどう考えればいいの?昔と今の家づくりの違い

家づくりの打ち合わせをしていると、ときどきこんなご質問をいただきます。

「風水とか家相について、親族が気にしていて……」
「鬼門とか裏鬼門ってやっぱり避けたほうがいいでしょうか?」

たしかに、家相や風水は長年受け継がれてきた知恵のひとつですが、

今の時代、そのまま鵜呑みにしてしまうと、かえって住みにくい間取りになることも。

今日は、そんな家相の“背景”と“現代との違い”を、家づくりの視点から解説していきます。


家相には、かつての「合理的な理由」があった

まず、家相や風水の考え方が誕生したのは紀元前の中国、日本で独自に発展し庶民に定着したのは、江戸時代ごろ。当時の家は木造平屋で、断熱材もなく、窓ガラスも、エアコンや冷蔵庫といった電化製品もない…いわば“外とほぼ同じ環境”の中で暮らしていました。

そんな時代背景を考えると、いくつかの家相の教えには、合理的な“暮らしの知恵”を根拠とした側面があることがわかります。以下は諸説あるものの一つをお伝えします。

裏鬼門(南西)に台所はNG?夏、西日が強く差し込むため、台所が暑くなり、食材が傷みやすい。
冷蔵庫がなかった時代には、これはとても深刻な問題でした。

北東のトイレは凶?日当たりが悪く寒い方角で、トイレが冷えやすい・湿気がこもりやすい。
昔のトイレは屋外にあり、寒さからくるヒートショックや衛生面の懸念が大きかったのです。

玄関から家の奥が丸見えはNG?→ 風の通りが強く、冬場に冷気が一気に吹き抜ける=暖房が効きづらい。


でも、今の家は性能も環境もまったく違う!

現在の住宅は、

  • ・高気密・高断熱
  • ・二重サッシ・断熱材入りの外壁
  • ・最新の換気・空調設備
  • ・冷蔵庫やトイレも機能的かつ快適

と、昔とは比べ物にならないほど快適で、安全な暮らしが実現できるようになりました。

つまり、かつての“注意点”は、今の家づくりでは多くが解消されているのです。

じゃあ風水や家相は無視していいの?

いいえ、完全に無視する必要はありません。

風水や家相は、今でも「気分よく暮らせる工夫」や「意識を整えるきっかけ」として、うまく取り入れることができます。

例えば…

  • ・北東のトイレが気になるなら、暖房・換気を強化して快適に保つ
  • ・台所に西日が当たるなら、遮光カーテンや庇で日差しをカット
  • ・玄関から階段が見える間取りは、パーテーションや間仕切りで目隠し
  • ・玄関の出入口が鬼門に触れてしまっている場合は、ドアの向きを変更し鬼門を回避する

といったふうに、設計・仕様・住まい方の工夫で解決できることがほとんどです。

現代は「暮らしやすさ」+「気持ちよさ」のバランスが大切

昔は家の方位で健康や快適さが左右されたかもしれません。
でも今は、設備と性能の力で、どの方位でも快適な家をつくることが可能です。

だからこそ、「信じる・信じない」の二択ではなく、

✅ 暮らしやすさを基本に、気になるポイントだけ風水・家相を意識する

という柔軟な考え方が、今の家づくりにはちょうどいいと私たちは考えています。


まとめ:昔の知恵を、今の暮らしに合うかたちで

風水や家相の考え方には、たしかに意味があります。
でもそれは「迷信」ではなく、「当時の生活を守るための実践的なルール」の側面があったのです。

現代では、技術や暮らし方が進化したぶん、
「本当に必要なこと」と「もう気にしなくていいこと」を選べるようになりました。

私たちは、お客様が安心して住めるよう、
そういった家相・風水の“気になるポイント”にも丁寧に寄り添いながら、バランスの取れた設計をご提案しています。

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